187 鍋島染付牡丹文花形皿 製作年代 享保〜宝暦(1716−1764年) h4.1cm d14.7cm

小品であるが鍋島最高の染付皿である。
花形の彫りも整然として寸分の誤魔化しもなく、磁肌は精選の限りを尽くしたもので染付の発色を一層幽玄なものにしている。牡丹を練達の筆致で描き蕾を添える。
文様はよく見掛けるが平板な磁肌に描かれたものと異なり彫りの探い皿に高い技巧での表現は陰影が湛い強く胸に迫る。
さすがに鍋島は小品にいたるまで他に見られない独創的な様式美を樹立し、献上品としての気品がある。