184 鍋島色絵桜花柴垣文向付 製作年代 元禄〜享保(1688−1736年) h7.0cm d10.0cm

柴垣の文様というものはよくあるもので、乳白手伊萬里にも多い。
なかなか日本独特の風流なものである。だがこの向附のように赤と緑で桜花が配されると、全く工芸化されて桜花の散る風情が感じられないのは残念である。
然し染付で描かれた柴垣の手法は洗練されていて藩窯陶工の独壇上である。
これに赤の輪郭で桜花を浮かせたのも鮮やかで、柴垣を結ぶ縄目はこの構図を引きしめるのに効果的である。