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栗田美術館について
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栗田美術館について -栗田美術館創立者のことば-

 栗田美術館は創立者故栗田英男(平成8年没)の蒐集による、伊萬里、鍋島を館蔵する世界最大級の陶磁美術館である。
 美術館は足利市の郊外にあり、三万坪の景勝の地を選び自然を生かし、山野草を中心とした作庭の中に本館、歴史館、無名陶工祈念聖堂、陶磁会館が屹立し、また阿蘭陀館、世界陶磁館がある。
 建築物は極めて格調高く、展示する名陶と共に陶磁器を愛する世界の人達から個性豊かな魅力ある殿堂として多くの期待と賞賛を浴びて今日に至っている。
 この地には日本最古の大学「足利学校」、足利尊氏の始祖が創建した「ばんな寺」等があり、古き歴史の香り高きところである。
 美術館の極めて大きな特色は江戸時代(1603−1867年)肥前鍋島藩で生産された伊萬里、鍋島のみを展示するもので、これ以外の作品に対しては一顧だにせざる信念と一貫した思想の美術館であるところに大いなる特色がある。
 いうなれば美術館全体が伊萬里、鍋島に至心の気魂と情熱を傾けて建設した城郭なのである。
 伊萬里は日本で最初に作られた磁器で、オランダ東印度会社によって西欧に輸出され、日本はもとよりヨーロッパ、アジアの人達に最も愛され親しまれたものである。
 特に豪華絢爛たる赤絵は圧巻であり、また想像を絶する複雑豊富な形状は世界に於ける最も変化ある磁器として、われわれに無限の楽しみと喜びを与えてくれるものである。
 鍋島は藩窯として藩主の自家用品、贈答品、献上品として特別の配慮と組織のもとに制作されたもので、非凡な様式美を樹立し、陶磁工芸の何れの面から見ても他の追従を許さないものである。
 これらの作品は遥か三百年の昔、日本人がこよなく美を愛した心、平和を希求した生活を土台として作られたもので、極めて尊いことは、今の時代には到底求めることのできない、名もなき陶工達の誠の心の作品であり、清廉寡欲な生活の中から生まれたものである。
 この美術館が伊萬里、鍋島に限られ、然も無名陶工の無限の含蓄を秘めた作品のみを展示するところが他の美術館と根本的に異なる所以であって、ここに大きな意義と高い誇りと真実味を感ずるのである。

創立者 栗田 英男







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